暗号資産市場概況

• BTC（-0.92％｜現在価格：113,660 USDT）：BTCは1時間足で弱含み推移が続いており、主要移動平均線を下回って推移しています。短期モメンタムも低下し、MACDはゼロライン下で推移。ヒストグラム幅の縮小は反転の初動とも見えますが、現時点で明確な転換は確認できません。急落後には取引量が大幅に減少し、市場の慎重姿勢が表れています。BTCが114,500を明確に回復できなければ、引き続き下値圏での持ち合いが続く見通しで、重要なサポートは111,900付近に位置します。8月5日、BTC ETFは1億9,600万ドルの純流出となり、うちBlackRockのIBITが7,740万ドル、FidelityのFBTCは9,910万ドル流出しました。
• ETH（-2.51％｜現在価格：3,586 USDT）：ETHも移動平均線下で弱含み推移し、短期的な下落トレンドが続いています。MACDデッドクロスが継続し、ヒストグラムのグリーンバーは下落圧力の継続を示唆。出来高減少により買い勢力の減退が窺え、上昇の勢いにも乏しい状況です。ETHが3,600を維持できなければ、3,450〜3,470のサポートレンジまで再調整する可能性があります。短期的には、出来高と移動平均線の動きに注目し、反発の兆しを見極める必要があります。8月5日、ETH ETFは7,330万ドルの純流入、うちBlackRockのETHAへは8,880万ドル流入しました。
• アルトコイン：全体的に市場は弱含みのレンジ推移となり、主要銘柄の多くが下落しています。Fear & Greed Indexは54まで低下しており、投資家心理の慎重さが増加。短期的にはアルト全体で構造的な乖離が続く可能性があります。
• マクロ：8月5日のS&P500は0.49％安の6,299.19ポイント、ダウ平均は0.14％安の44,111.74ポイント、ナスダックは0.65％安の20,916.55ポイント。8月5日2時15分（UTC）時点での金スポットは1オンス3,376ドルで、過去24時間で0.12％下落しています。

注目トークン

PUMP Pump.fun（+16.42%、流通時価総額：9億8,300万ドル）

Gateによれば、PUMPトークンは現在0.002814ドルで推移し、過去24時間で16.42％上昇しています。Pump.funはSolana上の分散型ミームコインローンチパッドで、ユーザーはワンクリックでトークンの作成、発行、上場が可能です。プリセールやチーム割当なしのフェアローンチモデルを採用し、コミュニティ主導の成長と実験的流動性という特徴を持ちます。ネイティブトークンPUMPはガバナンストークンとしての役割と、プラットフォームのバイバックや報酬に活用される価値捕捉メカニズムも備えています。

直近の上昇は大規模バイバック継続が要因と考えられます。EmberCNによると、Pump.funは直近で手数料ウォレットからバイバックアドレスへ12,000 SOL（約216万ドル）を移動。7月16日以降、同プラットフォームは129,100 SOL（約2,150万ドル）を投じ、1トークン平均0.0005ドルで約38.3億PUMPを買い集めました。こうした資本投入とバイバックの透明性が市場信認を高め、短期的なトレード関心も押し上げています。今後はバイバックのペースや流動性動向に注目が集まる見通しです。

ILV Illuvium（+20.77%、流通時価総額：1億9,900万ドル）

Gateによると、ILVは現在21.099ドルで取引され、過去24時間で約20.77％上昇。IlluviumはImmutable X上のオープンワールドWeb3 RPGで、オートバトラー要素とオンチェーン資産管理を組み合わせています。プレイヤーはNFTベースのクリーチャー「Illuvial」の収集、バトル、取引が可能。ILVはプラットフォームのガバナンス・経済基盤トークンで、ステーキング・収益分配・ゲーム内報酬に活用されます。

ILV急騰の主因は、2025 Illuvium Pro League（IPL）開幕です。賞金25万ドルのリーグは8月16日開始、ファイナルは12月予定。また、TFTプレイヤーやインフルエンサーとの提携により認知度も向上。大会ストーリーやWeb3ゲームへの関心拡大も資金流入・価格押上げに寄与しました。

ZBCN Zebec Protocol（+6.14%、流通時価総額：4億6,600万ドル）

Gateによれば、ZBCNは0.005374ドルで推移し、過去24時間で約6.14％上昇。Zebec ProtocolはSolana上のリアルタイムストリーミング決済プロトコルで、オンチェーン給与支払い・資金フロー・暗号資産管理に特化。ZBCNはガバナンス・手数料支払・インセンティブ用のネイティブトークンです。

Zebecは新たにSilver・Carbon・Blackの３種の暗号資産決済カードを発表し、市場の注目を集めました。すべてMastercard・Apple Pay対応でさまざまな消費ニーズに応え、ノンカストディ管理・マルチチェーンチャージ・プライバシー保護等にも対応。Silverカードは基本手数料無料、Blackカードは富裕層向けでフルKYCを要求。技術情報やユースケース拡大の開示が好感され、ZBCNの価格上昇要因となりました。

SAROS Saros（+5.65%、流通時価総額：10億4,200万ドル）

Gateによると、SAROSは0.3960ドルで推移し、24時間で5.65％上昇。SarosはSolana上の包括的DeFiプラットフォームで、DEX、ローンチパッド、流動性マイニング、イールドアグリゲーション等を備えています。超低ガス代・高速で幅広いDeFiアクセスを提供します。

直近の上昇要因は主に2つ。第1に、Saros財団がプロトコル収益原資のバイバックプログラムを開始し、長期的な価値向上と信認強化を狙ったこと。第2に、Solanaエコシステムキャンペーン「The Symphony of Evolvement」開始と、SolanaDaily・Blogtienao・TradeCoinVN等の提携パートナー公開。バイバック期待とマーケティング効果で新規注目が集まりました。今後はバイバック進捗、ユーザーエンゲージメント、エコシステム拡大が焦点です。

アルファ・インサイト

米SEC、リキッドステーキングは証券に該当せず―ETH現物ETFへのステーキング導入に道筋

米証券取引委員会（SEC）は新ガイダンスを公表し、一定条件下でリキッドステーキングおよび関連レシートトークン（stETH、mSOL、JitoSOL等）の発行が証券の発行・販売には該当しないと初めて明確化しました。これにより、LidoやMarinade Finance、Stakewise等のリキッドステーキングサービス提供者は、投資契約に該当しない場合、証券規制の登録対象外となる可能性があります。

SECは、ソフトウェアや分散型プロトコル経由のステーキングで発行されるレシートトークンが単にステーク資産の所有権や利回りを表すだけであれば、金融証券ではなく技術的ツールとみなされると強調しました。

この明確化により、ステーキング機能を持つイーサリアム現物ETFのSEC承認が加速する見込みです。従来議論されていた利回り分配・契約リスクへの懸念も解消へ。リキッドステーキングトークンはETF内部の流動性・資産運用効率を高め、SECの課題を直接解決します。複数資産運用会社はETF申請書を修正し、ステーキング導入による新たなETH金融商品の利回り創出を目指しています。

AMINA Bank、SUIの取引・カストディを提供する初の規制金融機関に

スイスの暗号資産銀行AMINA Bankは、SUI（Suiブロックチェーンのネイティブトークン）公式対応を発表し、同資産の取引・カストディ（保管）を提供する世界初の規制金融機関となりました。SUIは、低遅延かつエンタープライズ向けアプリ・高頻度取引処理を実現し、従来Web2インフラの代替を目指しています。

AMINAは取引量制限なしの取引環境を提供し、将来的にはステーキングサービスも導入予定。ガバナンスツールや監査機能を統合し、機関投資家のコンプライアンス・リスク管理ニーズにも対応しています。

この対応により、SUIは規制金融システムへの参入を果たし、機関投資家層への普及余地が広がっています。AMINAは、リップルのRLUSDステーブルコインのサポートに続き、新興パブリックチェーン資産の取り扱いを拡大中。伝統金融とWeb3経済の橋渡しを強化するとともに、ネイティブ暗号資産に対する機関投資家需要の高まりを示しています。

Mantle、資本流入が顕著―ステーブルコイン時価総額が週間23％増

ここ1週間、Mantleエコシステムは資本流入が顕著となっています。DeFiLlamaデータによれば、Mantle上のステーブルコイン時価総額は6億5,300万ドルへ上昇、前週比22.85％増で、直近数カ月で最大級となりました。エコシステム開発の進展、資本インセンティブ実施、市場の長期信認拡大など複数の好材料が成長を後押ししています。

Mantleは戦略的ETHリザーブに追加され、101,867 ETH（約3億8,800万ドル）を拠出。これによりネットワークのセキュリティと資本耐性が一段と強化され、ユーザーの信頼感もさらに向上。Ethereumレイヤー2として、開発者や機関投資家の参加も誘引しています。

資本流入の継続・リザーブ強化・アプリケーションエコシステム拡大のもとで、Mantleはユーザーと流動性集積力を強めています。今後も主要プロジェクトの参加やユーザー定着、オンチェーン活動増加が進めば、MantleはBaseやArbitrum、Optimismと並び主要Ethereumレイヤー2へ成長するでしょう。


参考文献

• Gate, https://www.gate.com/trade/BTC_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/btc/
• Gate, https://www.gate.com/trade/ETH_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/eth/
• Gate, https://www.gate.com/crypto-market-data
• Investing, https://investing.com/indices/usa-indices
• Investing, https://investing.com/currencies/xau-usd
• CoinGecko, https://www.coingecko.com/categories
• The Block, https://www.theblock.co/post/365708/sec-declares-liquid-staking-is-outside-of-securities-laws-in-latest-guidance-following-project-crypto-initiative
• Finance Feeds, https://financefeeds.com/amina-bank-becomes-first-regulated-bank-to-offer-trading-and-custody-for-sui-token/
• X, https://x.com/lookonchain/status/1952638162922013099

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