【米国株】高自己資本比率×高ROE──財務の安定性と収益性を兼ね備えた優良企業を抽出 | 投資のヒント | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

企業の成長性や競争力を測るうえで、ROE（自己資本利益率）は欠かせない指標の一つです。ROEは、企業が株主から預かった資本を、いかに効率的に利益へと変えているかを表しており、資本の「使い方」の巧拙が問われます。一方で、ROEの高さを追求するために、過度に財務レバレッジ（負債）をかけてリスクを高める企業も少なくありません。こうした中、自己資本比率が高く、それでもROEを高水準に保っている企業は、非常に限られた存在です。

自己資本比率が高いということは、外部資金に頼らず、自己資本を中心に経営をまわしていることを意味します。これは財務の安定性、すなわち倒産リスクの低さを示す一方で、ROEの分母（自己資本）が大きくなるため、ROEを押し下げる方向に働きます。したがって、高い自己資本比率を維持しながら高いROEを両立している企業は、一定の競争優位性や効率的な経営体制を備えている可能性が高いと考えられます。そこで今回は、S&P500構成銘柄の中から、以下の条件でスクリーニングを行いました。

1 自己資本比率：75%以上

2 ROE（自己資本利益率）：20%以上

その結果、13銘柄がフィルタリングにヒットしました。たとえば、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ［AMD］は、自己資本比率80%以上という強固な財務基盤を持ちつつ、高性能半導体分野での競争力を武器にROEも高水準を維持しています。また、ファスナル［FAST］は、ねじやボルト、ナットなど工業用及び建設用資材を扱う堅実な事業で利益率の高い営業を行い、派手さはないもののROE・自己資本比率ともに高水準にあります。コパート［CPRT］は、事故車オークションというニッチ市場で高い参入障壁を背景に成長を続けており、利益率の高さが際立ちます。エナジードリンクのモンスター・ビバレッジ［MNST］も、若年層をターゲットとしたマーケティングで市場ポジションを確立し、ブランド力と高い営業利益率を武器に高ROEを確保しています。

財務の健全性と効率的な資本活用の両方を備えるこれらの企業は、長期投資における「守り」と「攻め」を兼ね備えた存在です。今後の成長性や市場での評価の動向も注視しながら、適切な価格帯で狙っていきたい銘柄群といえるでしょう。

高自己資本比率×高ROEのS&P500株価指数構成銘柄はこちらからチェック